2013/11/11(Mon)
Wii U版『トガビトノセンリツ』をプレイして。
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Wii Uのダウンロード専用ソフト『トガビトノセンリツ』。
実は10/2の発売日に即買いしてすでにクリア済なんだけど、今更ながら振り返ってみるテスト。
このソフトが出る事を知ったのは発売1週間前のニュースリリースだったと思う。
まだソフトが充実しているとはいいがたいWii Uで、
それもダウンロード専用でリリースされるとあって一際異彩を放っていた上、
Wii U初のアドベンチャーゲームとあって、興味をそそられ購入を決意。
で、ちょっとタイトルについて調べてみたら、
元々は2011年10月12日に携帯電話向けに発売されたもので、
その後スマートフォンやブラウザゲームとしても移植発売され、
今回家庭用ゲーム機向けに初めて移植されたという事が分かった。
正直言って当初は「何故Wii Uで?」との思いががあった事は否めないが、
電子説明書を見てその理由が何となく推測できた。
このゲームには「Nintendo Web Framework」という開発フレームワークが使われている。
これはHTML5やJavaScript等でWii Uソフトウェアの開発が可能となるフレームワークである。
つまり、すでにブラウザゲームとして(URLから察するに)HTML5で開発され完成していた『トガビトノセンリツ』は、
「Nintendo Web Framework」を利用する事でWii Uに容易に移植できる環境にあったのではないだろうか。
そして容易に移植できるという点から、新規ユーザーの開拓・家庭用ゲーム機への進出に伴う認知度向上・
ソフト供給が十分とはいえないWii U市場における特需効果・Wii Uでのアドベンチャーゲーム需要調査等から
費用対効果を考え、今回の移植につながったのではないだろうかというのが自分の考えである。
(※あくまで推測です)
さて、実際にプレイしてみた感想に移ろう。
まずは肝心のストーリー内容だが、大枠の設定自体は
「閉鎖空間に囚われた登場人物たちが殺人ゲームに参加させられる」というありがちなものである。
その物語の核となる殺人ゲームは「プリズナーゲーム」と呼ばれ、所謂「人狼ゲーム」を下敷きにした上で、
独自の要素を取り入れたものになっており、より対決・対立感を強調したものになっている。
アドベンチャーゲームという特性上、あまり内容を詳しく説明してしまうと
思いっきりネタバレになってしまうので、それとなく触れていくと、
まずこういったストーリーでは「誰が犯人なのか」を分かりにくくする為のミスリードや、
展開を盛り上げる為の突発イベントが付きものであるが、
結構「お前かよ」とか「ここでコイツ殺しちゃうんだ」みたいな意外性の高い展開が多く、
ダレることなく最後までプレイできた。
ストーリーの先が見たくなる、吸引力あるストーリーになっていたのは間違いない。
また、公式サイトに「サイコサスペンスADV」とジャンル表記されている通り、
ストーリー内容はかなり狂気を孕んだモノになっており、えげつない表現も多い。
もしフルプライスのアドベンチャーゲームのようにイベントCGが
(内容を自重せず)バンバン挿入されていたとしたら確実にCERO:Zだったんじゃないかとさえ思う。
しかしこのストーリーの核になっているのは間違いなく狂気であり、
またその狂気がこのストーリーの魅力になっていると感じる。
何というかamphibian氏(シナリオライター)は狂気を描くのが上手いなと感じた。
あ、あと奇声も。
キャラクター(以下キャラ)については、とにかく「濃い」連中ばかり。
どのキャラも個性が際立っているので、存在感が薄く感じられるようなキャラはいないと思われる。
というかほとんどのキャラがおかs(ry
実際のゲームの流れは、選択肢分岐型のオーソドックスなもので、基本的に一本道。
選択によって正規ルートかBAD ENDに分岐する(一部例外有)。
ゲーム性に関しては乏しいと言わざるを得ないが、元々携帯電話用のゲームという事を考えると、
色々なゲーム的仕掛けを盛り込むのも難しいだろうし、(容量的にも)ボリュームを多くする事も難しいだろう。
面白いシステムだなと思ったのが、「隠しモード」。
ストーリーを1周クリアすると解放され、
オプションでONにすると再プレイ時に主人公以外の視点がストーリー中に挿入されるというシステム。
アドベンチャーゲーム(特に殺人事件モノ等)では、
再プレイ時にこのキャラはあの時こんな風に考えてたのか、と考えさせられることが多いが、
このシステムはそれを完全に文章化することで、物語に一層の深みをあたえるほか、
プレイヤーが見過ごしがちな伏線に気付かせることができるのがメリットとして挙げられるだろう。
ここまで大体良い点を挙げてきたが、もちろん不満点もある。
大きな不満点として、ソフト動作が不安定だったことが挙げられる。
プレイ途中に完全フリーズし、Wii Uを強制終了させるしかない状況に陥った事が数回発生した。
プレイ中の動作もレスポンスがイマイチで、どこかもたつく印象を受けた。
また個人的な希望だが、左手でも文章送りができるようにしてほしかった。
これだけボタンがあるのだから、もっと役割をそれぞれのボタンに割り振ればいいのにと思った。
ハード的制約があるのかもしれないが、この辺りは改善の余地有りと感じた次第。
総じての感想だが、「プレイしてよかったな」と素直に感じた。
プレイし始めると、とにかく続きが気になって久しぶりに完徹してしまった件。
1,000円でこれだけ遊べるなら個人的には大満足。
内容的にはかなり人を選ぶモノだったので手放しでオススメはできないが、
アドベンチャーゲーム好きなら是非手に取ってみてほしいと思う。
amphibian氏がシナリオを手がけるKEMCOアドベンチャーゲーム、これからの展開が楽しみである。
追伸
KEMCOはWii Uで出して正解だったと思う。このように新規ユーザーの獲得に成功したのだから・・・。
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Posted by thunder at 22:22 TrackBack ( 0 ) Comment ( 0 )
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